Heads Surfboards Lab

Glidezinger | Katsu Kawaminami Surfbords

SURFBOARDS

  • SHAPER:川南 活
  • MODEL:Glidezinger(グライジンガー)
  • Length:9' 3"
  • 価格:¥241,500(税込・参考上代)

SURFER PROFILE

  • 身長183cm、体重78kg、ヘッズのさっさん。ほとんどの週末を海で過ごす。が、腕前はサーフィン歴に比例することなく、いっこうに上手くならず。あくまでも自己申告で、やっていると思われる技はアップスダウン、浅いボトムターン、チョットバック、波のトップに駆け登った際にスープに乗り上げるフローター?(本人は得意技と思っているらしい)、フロントサイドでのプルアウト(バックハンドではうまくボードが返らず)。

IMPRESSION


2008年9月13日(土)。昨日上がったばかりの9'3"ロングボード4finを幸運にも試す機会が訪れた。 場所は茨城県鹿島のビーチブレイク。風はほぼ無風。波のサイズは腰腹のち胸。 いわばぼくが一番良く出会うサイズ。

鏡のようなキレイに仕上げられたデッキにワックスを滑らす。禁断の園の扉を開けた瞬間。 今回、ぼくがシェーパーのKATSUさんにお願いしたのはロングボードとしての4fin。イメージはEatonさんのZinger。数年前のトリップの時にフェヴァリットポイントでみたサーファー(後で調べたらEatonのteam rider : Quint Macklinというサーファーだった)のメチャウマなサーフィンが忘れられなかった。それをKatsuさんに話し、Katsuさんの目線でZingerを料理してもらった。

最大の目的はロングボードだということ。そしてパフォーマンスボードだという事。ロングボードのパフォーマンス系は昨今話題になっている。しかしグローバルスタンダードでハイパフォーマンスなボードといえば、やはり代表的なのがボンガ・パーキンスの操るハワイアンスタイルのショートボードにより近いボードをイメージするだろう。確かにプロや上級者はそれでも使いこなす事ができるかもしれないが、ぼくら素人ではとうてい使いこなせるシロモノではない。まして日本のアベレージな波でどこまでそのようなボードでサーフィンを楽しむ事ができるだろう。

そこでぼくは考えた。Katsuさんのトランジッションボードの知識をロングボードに組み込み、アべレージロングボーダーが日本の波でも楽しめるパフォーマンスボード。しかもちょっとトランジッションボードのエッセンスを加えて。

シルエットはシモンズフィッシュのようなスタイルにまとまった。やはりノーズがとんがっていると、イメージ的にも動きそうだな、テイクオフが速そうだなと感じる。幅はメチャクチャ広くは取っていない。パフォーマンスボードだから。しかしご安心を。厚みはかなりある。持った瞬間の安心感は絶大である。

そして軽い。浮力があって軽ければ、波を見つけてからテイクオフのためのパドリングまでの動作に速く入れる。パフォーマンスボードでは軽さは重要である。そしてフィン。フィンはフィンマンオリジナル。ガラスクロスを25層も積層した板からハンドメイドで削り出す芸術品。しかも今回はこのGlidezingerオリジナルでflexする。サイドフィンでそれほど大きくないのに「しなる」のである。ターンの時にしなったフィンが戻る時にターンが伸びると聞く。

ボトムはほぼフラットだが、フィンエリアにはVeeが多少入っている。Zingerの時のようなディープチャンネルは入れていない。これはKatsuさんがこれまでZingerやQuadをシェープしてきて、ライダーにテストさせた結果たどり着いた理想的なボトムだと思う。ディープチャンネルも楽しいが、ここはひとつステップアップ。レールは60/40。エッジはレールエリアのみだが、60/40のレールのため、ボトムとレールの境目がくっきり分かる。エッジではないが、これは固い波のフェイスでも引っかかってくれそうなレールである。

最後にロッカー。ロングボードと考えると、ついている方である。反っている。 しかしKatsuさんのうまいところは、テイクオフの速さを殺さないギリギリの数値で反らしている。まあ使ってみればなるほどと感じるだろう。また頭以上の波だったら、このロッカーのお陰でサックしないドロップができるだろうなとイメージできる。

さて乗り心地だが、ずばり楽しい。パドリングはロングボードそのもので安定しているし、テイクオフも速い。テイクオフが速いという事は、テイクオフに入る動作も速いという事である。テイクオフしてからの加速もバッチリ。これは、きっとボトムのフラット部分が多いからだろう。突っ走ってからカール部分に戻る、いわゆるカットバックもスムース。4フィンのお陰である。センターフィンがあるともう少し遅い戻りになるような気がする。またスピードがつくから前方がクローズセクションでも容易にスープに乗り上げられる。いわばフローターってヤツである。あの浮遊感はショートボードでしか味わえなかったので、9'3"のボードで味わえるとは思ってもいなかった。アップスダウンも軽快にこなせる。これは60/40のレールのお陰とフィンのしなりかなと思った。

あと最大のメリットはキックテイクオフが容易にできる事だ。軽くて浮力があるので、ロケットのように飛び出す。ノーパドルでスタンドアップである。いい事ばかり書くとうさん臭いので、気になった点も。

最初2〜3回、テイクオフ時にノーズが刺さってしまった。これは昔ショートボードを乗っていた方なら分かると思うが、ノーズがとがっていると、えてしてパドル時ちょっと前に腹這いのポジションを取ると思う。ただ単に錯覚が原因。ロングボードなので、パドル時にどこが腹這いのベストポジションか確認しておく事が大事。あとは乗りつないで、最後のセクションで波にパワーがなくなってきたら、ちょっと不安定になる。これはセンターフィンが無いという事と、幅が多少狭いという事によるもの。もっともショートボードやトランジッションボードでも同じ事が言えること。

ロングボードでトランジッションボードのようなパフォーマンスができるGlidezinger。トランジッションボードで失敗した方。Glidezingerなら楽しめますよ。まさに次世代のロングボードです!

THE BEST SURFER OUT THERE
IS THE ONE HAVING THE MOST FUN.

Keep on Surfing.