California Trip
Winter 2017
- DAY 2 -

  • DAY 2
  • 8th, December 2017
  • [ FRI ]

iPhoneのアラーム音が遠くから聞こえる。夜は一度も起きず、時差ボケを感じず朝を迎える。

カーテンを開ける必要もなく、朝日の木漏れ陽がベッドに落ちる。さあ今日はSlide HangerのPhilとPipe’sで海上ミーティング。

8時半に現地集合。約10分でパーキングに到着。2時間分のチケットを購入し、少し北にパークする。金網越しにPipe’sの波をチェック。腹胸サイズの波がオフショアになぞられてキレイにブレイクしている。Glassy Menpita。

Pipe’sは背後が高い崖になっているので、比較的風の影響を受けにくい。Philのクルマがあるので、すでに海に入っているのだろう。いたいた。背中を丸める独特なスタイルで波を最後までメイクする。さあ、僕も着替えて崖を下ることにしよう。

Linda Bensonさんは12月の1ヶ月間はハワイで過ごしている。カリフォルニアで会えないのは少し寂しいが、温暖なハワイで楽しい時間を過ごしていることだろう。緩いサンタ・アナが背後から暖かい風を送り込む。水温はどうか?おお、日本よりも温かい。

7’6”ミッドレングスをアウトに漕ぎ出す。背後からそーっとPhilに近づく。気配を察したのか波待ちをしていたPhilが急に振り向く。少し経ってから表情が笑顔に変わる。
「Hiro、おはよう!フライトはどうだった?元気か?」
「おはようございます。元気ですよ。上からナイス・スライディングを見ましたよ。」
嬉しそうにはにかむPhil。

セットは2本か3本の波が来る。今日は1本目が良さそうだが、それは地元サーファーに。パワーは弱いが形のいい波が僕の前にピークがシフトしてきた。

まずはぶっさしテイクオフ。レフト方向にブレイクする波がスーッと僕のボードのテールを押してくれる。他のサーファーが乗っていないか、乗ろうとしていないかチェック。大丈夫。滑り始めたボードにスタンディングして。スピード感を味わう。Glide。インサイドで波がトロくなったところでカットバック。そして体勢をまたレフト方向に直し、早めのインサイドセクションをやり過ごす。ワオ。気持ちいい!おもわず声が出てしまう。

レギュラースタンスのPhilはほとんどライトブレイクしかサーフしない。だから三角にブレイクする波は僕にシェアしてくれる。
「Hiro, Go Left!」
二人は1本の波を別の方向に進んでインサイドまで。遠くなったお互いを見つけ、おもわず手を挙げスマイル。最高じゃん。

Pipe’sの地元の方もピースフルな方ばかり。しかもLindaさんやPhilとサーフしているためかみんな波を分けてくれる。徐々に潮が引いて、ブレイクにもパワーがなくなってきたところで、まずは僕がサーフアウト。ビーチで手を挙げてPhilに合図するとPhilもそれに応えて手を振る。

「俺もあと一本で上がるから、上で待ってろよ。」という感じか。
節水のため止められていたパーキングのシャワーは水が出るようになっていた。シャワーを浴びて着替えをし、海を眺めているとPhilがサーフィンを終えて坂を上がってきていた。そして二人でカーディフのカフェへ。

Philオススメの店はCardiff By The Seaの波が見えるオーシャンビューだった。
「こちらの方がワンサイズ波がでかいね。」
と僕が切り出すと、
「そうなんだけど、波が良いからサーファーも増える。そしてストレスも溜まる。だからオレはPipe’sに行くのさ。」
僕も同感。Exactly。

ここで僕たちは美味しいブランチを食べながら、Slide Hangerのことで話が盛り上がる。現在ヨーロッパでもSlide Hangerの良さが認知され、イギリスをはじめ何カ国かで取引を開始したとPhilが教えてくれた。

僕たちの話はパテントの事など深いところまで及んだ。こうして異国の地で外人とサシで食事をしながら話をする。30年前は知人におんぶに抱っこだった自分が情けない。一生懸命話しかければ、ぼくの拙い英語を相手は真剣に聞いてくれる。同じ人間。なんとかなるさ。むしろ楽しいものである。Philとはここでお別れだ。また来年会いましょう。

さあ、ここからSan Clementeに移動だ。重要なミッションであるHeavyweight Collectionsとのミーティング。Google Mapで最短ルートを検索。約30分で到着。ぐっすり睡眠がとれて、朝はサーフィン。時差ボケはとうにすっ飛んでいる。

HeavyweightのJayはすでにオフィスにいた。神経質そうな顔が満面の笑みに変わる。彼とはここ数年じつに素晴らしい仕事ができている。最初は友人のMikeにトレンスレートで助けてもらったが、今ではひとりでも大丈夫。ビジネスもスムーズに回っている。

2018年の新色や別注パターンのサンプルをあらかじめ日本から依頼してあった。そして今日のミーティングにJayはドンピシャで間に合わせてくれた。。。はずだった。が、トラブル発生。生地でのカラーサンプルは間に合ったが、製品でのカラーサンプルがどうにも今日には間に合わないという。来週の月曜日以降には間に合うが帰国するまでにもう一度来てくれないかというJayの頼み。もちろんOKさ。それ以上のことをやってくれているからね。

何人もカリフォルニアンとビジネスしてきたが、Jayは本当に仕事ができる人間。リードタイムや納期など約束したことは必ず守る。

ミッション完了。Jayとお別れした後は同じSan Clementeに住むKokiさんと会う約束だ。Surfin’ Donutsで待ち合わせ。小腹が空いたので店内へ。経営者が変わったのか、スタッフは全てアジア人だった。雰囲気でないなあ。

15分ほど待っているとKokiさんがやって来た。5年ぶりくらいかな。そしてここから5分のところにあるKokiさんの自宅へ。San Clementeの海とフリーウェイ5が見下ろせる最高のロケーションだ。

「さとうさん、波乗り行きましょうよ!」
「ええ、今朝Pipe’sでやってきたんだよね。」
「San’O、波が良さそうですよ。」
そう聞いたら行かずにはいられません。行きましょう!

Kokiさんのトラック一台で行くことになった。15分くらいで到着。おお、腹胸サイズのいい波。KokiさんはJed NollのNoserider。Oldman’sに二人で入る。

金曜日の午後ということもあってサーファーも少なく、いい感じで波が取れる。Travisにもずいぶん慣れてきた。良い板だ。

ふだん短板に乗ることが多いKokiさんは9’6”に手こずっている(笑)
「ノーズがなかなかできないんですよ。」
しかしいい波に乗ると短板のくせかアップスーンをかましてる。笑えるなあ。

約2時間。楽しい波乗りができた。最高。そしてKokiさんの好意に甘えてご自宅のジャクジーでひと風呂浴びさせていただいた。San Clementeの海に沈む夕日をみながらビール片手にジャクジー。最高である。昔話に花が咲き、辺りは暗くなってしまった。Kokiさんは泊まっていけばというが、Danが心配するのでコンドに戻ることに。

言葉には出さなかったけど、Kokiさんの優しさが身に染みた。Eikoさんのことも知っているし、今度の結婚のことも。僕は本当に周りの人たちに恵まれているとつくづく感じる。

Danの家に戻ると、今夜はデリバリーのpizzaとパスタをみんなで食べようということになった。ベビーシッターのKoyukiちゃん交えてのディナーは笑い声が絶えない。ビールとワインでほろ酔いになった僕はバックヤードのコンドにもどる。

シャワーを浴びたら、冷蔵庫にある冷えたビールをもう一本。あれっ、Danがカーテンをつけてくれた。でも寸足らずで短い(笑)あいつらしいや。さあ、明日はMikeとサーフィン。

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