Owner's essay

002 | 徒然なるままに。:インプレ…

Bo Sport Owner's Essay by HEADS

サーフボードが科学的に検証されて、よりスピードが出て、よりハイパフォーマンスに動き、どんどん進化していく。 それに呼応するかのようにインターネットが普及し、専門的な知識が一般サーファーにも手軽に検索できるようになった。

ウィークエンドサーファーは良い波・自分にあったサーフボードをウィークデイにネットサーフィンで追い求める。仕事を忘れて、時間を気にして必死に。

かくして彼は脳内でカリスマシェーパーとなり、はたまたショップのオーナーよりもサーフィンの歴史に詳しくなり、今は亡きレジェンドサーファーともいつの間にかお友達になってしまう。

そんな楽しみ方も現代の特徴のひとつ。でもちょっと待って。 サーフィンってそういうもんだっけ。サーフボードってそうだっけ?

初めてテイクオフしてサーフボードの上に立てて。 たまにはぶっささたりして。それを波のせいにしたり、ボードのロッカーのせいにしたり。 横に走れるようになると友達とボードを取り替えっこして、あーでもないこーでもない。 波が小さい時のサーフィンの感触、そして波がでかいときのサーフィン。そしてアベレージの波では、、、

そうして自分の中にマジックボードが浮かび上がる。 うまくサーフィンできた時のこと。友達から借りたサーフボードの乗り心地。 積み重ねられた多くの思い出から消去法でマジックボードができあがる。

でもこういうものって抽象的なものだと思う。 現代は情報が次から次へと脳内にインプットされる。現代のサーファーは経験値よりもメディアからの情報がはるかに過多になり、消去できない。

だけどそれって本当に自分のためになる情報なの? いくら有名なサーファーがいうことでも、サーフィンする自分に本当に当てはまることなの?疑うわけじゃないけど、その話ってホントのことなの? そこにきてサーフィンインダストリーは、ビジネスのためにあれやこれや、昔のボードを引っ張り出す。上級者にしか乗れそうもないボードを引っ張り出し、科学的根拠や昔の歴史をウェブサイトで書き連ね、魅力のある化粧をする。

でもそのインプレ書いた人のサーフィンのレベルは? フィンの大きさやコンマ単位の違いって、ホントにわかるの?

結局は自分だけのマジックボード探しは、自分の経験から生まれるものだと思う。コツコツとサーフィンを楽しみながら、自分の身体にそして脳内に埋め込んでいく、染み込ませていく。 そうすればニューボードを持った時、レールを両手でノーズからテールに向かって撫でた時に、きっとニヤッとするボードが現れる、きっと。

だからインプレはあくまでも抽象的になるはず。あくまでも僕のレベルでは。