Glassy Menpita California Trip Report

DAY 5: 12月5日(水)晴れ

朝、7時起床。すでに部屋の中まで波が砕け散る轟音が響く。
とうとうはじまった「Big Wednesday」。 部屋から着の身着のままで波をチェックしに、ビーチに行く。

パシフィックビーチの沖からは幾重にも重なるようにうねりが押し寄せていた。そのグランドスウェルは、やり場のない怒りを吐き出すかのように、いっきに海面に覆いかぶさる。遠い航海を経てきたグランドスウェルは円運動を繰り返し、エネルギーを蓄える。その円運動の直径より浅瀬に到達すると、そのエネルギーはサーフブレイクとして砕け散る。今日はその円運動の直径がかなり大きいようだ。現代の波予測はかなり正確で、ここカリフォルニアに到着した時から、この状況はおおよそ想像できた。しかしここまでデカくなるとは... 今日は観客になる方が賢明だろう。

部屋に戻ると、EIKOさんもすでに起きていた。「無理でしょ?ここまでドッカーンが聞こえるもんね。」「とりあえずフェヴァリットポイントにいってみる?」僕らはサーフボードを持たずにフェヴァリットポイントに向かった。北に5分走り、海側へと左に折れる。すでにパーキングスペースはほぼ満車。この平日でこの混雑は初めてだ。急な下り坂から海を見下ろす。大きな波が砕け散った飛沫で、風景は霧がかかったようにぼんやりしている。パーキングスペースを2周して運良くクルマをパークできた。人々はみな海の方を見ている。なかには望遠レンズをセットした本格的なカメラマンもいる。

ここフェヴァリットポイントは他のポイントよりワンサイズ波が小さい。とは言っても今日の波は、かるくセットでダブルオーバー位はある。ウェットスーツに着替えたはいいが、海に入りあぐねているサーファーが数人。少し高台になっているギャラリースタンドから多くの観客に見つめられている。このプレッシャーとはどんなものだろう。心のなかでの自問自答。そこでの決断は、そのサーファーの今後に多くの影響を与えるのだろう。

たとえパドルアウトを決断して、沖に出れなくてもその決断はリスペクトされる。オトナも子供もみな、サーフボードを手に、波のリズムを読み、自分の決断のタイミングを計る。緊張感がみなぎる、素晴らしい光景。と同時に自分の不甲斐なさが頭をよぎる。波があるのにサーファーなのに、海に入ろうとしない自分がいる。このサイズは乗りこなせないと見限った自分がいる。しかし自分のサーフィングライフはこれで正解なのだと、言い聞かせる。ちょっとむなしい瞬間でもある。しかしgo for itできないのは事実。今日は、今まで見たこともない、いつもサーフィンしているポイントが、どれほどまでに変貌するのかを眼に焼き付けておこう。

サーファー達はショートボード、ロングボード、ツインフィンフィッシュ、スタンドアップボードといろいろな道具を取り出して、思い思いにパドルアウトしていく。ちょっとやそっとじゃ沖に出られない。そのうち派手なウェットスーツを着たロングボーダーが現れた。しかもノーリーシュである。彼は、しばらくセットの間合いを見ていた。そしてセットが行き過ぎ、海水全体がすーっと沖に流れるカレントを使って、猛ダッシュでパドルアウト。他のサーファーよりも早くアウトに出た。そのサーファーと入れ違いで、サーフィンし終え上がってきたサーファーが満足そうに上がってきた。「どうだった?」「まあたいしたことないよ。でもミドルセクションにケルプが大量に固まっていて、あれが命取りだ。リーシュにでも絡んで、セットが来たら・・・」と言って右手の親指を下に向ける。そうか。先ほどのロングボーダーはそのことを知っていてノーリーシュでパドルアウトしたのか。またひとつ勉強になった。

それから僕らはクルマで移動し、フェヴァリットポイントを右サイドから見ることのできる場所に移動した。こちらもクルマを停めるスペースがなく、2ブロック先にようやくスペースを見つけ、海の見える場所まで歩いて行った。途中の海の見える切れ目、切れ目は波をサーフィンを一目見ようと人だかりである。やっとフェヴァリットポイント右側のヴューポイントに到着。そこで見たブレイクは、今までボクが見たことのないはるかアウトで波がブレイクしているのが確認できた。これであきらめがついた僕らは、いったんモテルに戻り、ブレックファーストを取り、身支度をして北上しメジャースポットを見に行くことにした。

まずはラホヤショアーズ。海を見て左に目を向けると、ふだんは割れることのないレフトブレイクがキレイに割れている。ビーチの正面は軽くダブルはある。しかもブレイクは早め。北うねりのため、ほとんどがライトブレイクだ。しかし果敢にショートボーダーは攻めまくる。ブレイクが速くても、横っぱしりせず、ボトムにおりてスピードをつけ、一気に波のポケットに突っ込む。やっぱりショートはかっこいい。チューブから出てくる確率も高い。すばらしい。

GO NORTH。下道を使って、できるだけいろいろな海の表情を見ることにした。デルマーの街にさしかかる少し手前で、格好のヴューポイントを見つける。クルマを停めてしばし呆然。当然サーファーは海におらず、サイズ不明だが、グランドスウェルがキレイに沖からこちらに向かってくる。しかも快晴。もっとGO NORTH。デルマーの街を過ぎ、カーディフを過ぎ、スワミスへ。ポイントに近づくにしたがい、大渋滞。そしてコーストハイウェイに駐車しているクルマが多くなってきた。ということは、パークスペースは当然満車だろう。Uターンして道沿いのスペースを見つけ、クルマを滑りこませる。スワミスの見えるパークスペースの高台まで歩いていく。わー、すごいギャラリーの数!中にはクルマの屋根に乗っかって観戦している人も。

海を見ると、腕に自信のある波を待っているサーファーが、虎視眈々と自分の取るべき波を狙っている。レスキューのジェットスキーがショルダーの切れ目で待機している。そこに街全体がサーフィンを理解し、支えるうらやましい光景があった。しかし波の取り合いが熾烈である。おのずとピークの奥へ、奥へと潜り込むサーファー達。しかしピークの裏から回り込むのはかなり難しそう。ことごとくスープに捕まり、ワイプアウトを繰り返す。このシュチエーションになると、ショルダーから乗れるほど甘くはないので、ローカルに認めてもらうにはリスクを伴う。そうだ、時間も遅くならないうちに仕事も片付けなきゃ。

エンシニータスの古着屋で、しばし古着をチェック。なかなか良いデザインのTシャツをゲット。それからもう少し北に上がり、アウトレットファクトリーへ。パンダエクスプレスがあったので、さきにプレートランチをほお張る。なにげに昔から好きです、chowmien(炒麺)。食事をし終わって、いろいろなお店を訪問。ラルフローレン、バーニーズ、カルバンクライン、ヴァンズなどなど。買わなくとも商品を見て歩くと、プリントの方法やデザインのバランスなど、とても勉強になる。午後3時を回った。ぼくは午前中に見たラホヤショアーズの左のレフトが気になっていた。EIKOさんに無理を言ってもう一度、ラホヤショアーズに行くことにした。ラホヤショアーズに到着した頃にはサンセットタイムに近く、いろいろな人達が素晴らしい一日の終わりをビーチで過ごしていた。カリフォルニアでは天気がよくて波のある一日は、サーファーのみならずたくさんの人達がビーチに来てその日を味わっているように映る。

ラホヤショアーズの波は少しだけサイズダウンしたように見えたが、まだまだセットはダブルはある。バレルに突っ込むショートボーダー。メイク!「ねえ、ラホヤのオールドタウンに行ってみない?そうすればあのグーフィーの波が見れるかも!」「そうだね。早くしないと日が暮れちゃう。」急いでクルマでコーヴを回り込み、オールドタウンの手前までスムーズに行けた。が、海岸線の道を規制している。きっと波が大きいせいだろう。仕方なく山側のホテル群のある道にクルマを停める。急いで急いで、波が見えるところまで足早に向かう。海岸線にはまだたくさんの人達がビッグウェーブを見て、ブレイクするたびに歓声を上げていた。海底がリーフなので、ビーチのように変化しないため、本当に規則正しくAフレームの波が崩れる。こんな波がここで割れるんだあ。すげーっ。

ここラホヤのオールドタウンはかなりいい雰囲気。海の近くには芝生のレストエリアも広く設けられていて、トイレだって完備している。歩いて街に行けば、いろいろなお店もあってウィンドウショッピングもできる。古いお店もあるし、街自体がそれほど大きくないので、コンパクトに歩いて楽しめるって感じである。でもホテルの宿泊代ははっきり言って高いです。

もう真っ暗闇である。モテルに帰ろう。そのまえに夕食の買い出し!やっぱりあの魚屋さんのクラムチャウダーが食べたくなった。「また食べるの?」誰がなんと言っても食べたい。急いでお店に行って、クラムチャウダーをオーダーすると、なんか遅いなあと思っていたら、「クラブサラダ」、そうカニのサラダが出てきた。英語の発音が悪く通じなかったようだ。がっくりきていると、EIKOさんが改めて、オーダーしてくれる。すると、日系3世の気のいい店員さんが、その顛末を察したようで、クラムチャウダーをサービスでプレゼントしてくれた。うれしい〜。その後スーパーで他の食べ物を買い出しし、部屋にご帰還。夕食を食べながら80'sの音楽のみを流すTVを見ながらゆっくり過ごす。波が気になったので、ほろ酔いかげんでふたりでチェックしに行く。まだ全然でかい...明日はサーフィンできるのかなあ?

DAY 6に続く

MENPITA CALIFORNIA TRIP DECEMBER 2007
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