■MENPITA LA TRIP 2004:DAY4_1/2■

10月9日(土)、モテル前。快晴。glassy。波のサイズは腹〜胸。良い感じで波がブレイクしている。すぐさま3人でGO! ロングジョンでは少し寒いかなあと思ったのだが、海に入ってみると風もなく波もあるので全然問題なし。サーファーが少なかったので、クリスタル・ピアぎりぎりのレフトを狙う。ここで言うレフトとはグーフィーのサーファーがフロントサイドで乗れる波のこと。逆にライトとはレギュラースタンスのサーファーがフロントサイドで乗れる波の事を指す。沖に出て、陸地に振り返った場合、右にブレイクしていく波がライトブレイク、左にブレイクしてく波が レフトブレイクと言うことになる。思ったよりブレイクが速い。しかしうまく波 を選び、テイクオフが スムースにできたときはショルダーのあるスピード感溢れるライディングが可能だ。

ピアの横で波待ちをして、ふとビーチ側に目をやる。この延長線上のビーチの近くに5年前まではskip fryeのショップもあったが、今は再開発で壊されビルヂングを建設している。そして沖に目を戻す。ここで若かりし頃のskip fryeがサーフィンをしていたのかと思うと、鳥肌が立った。何度も試行錯誤 していろいろなシェープのボードをここで試したのだろう。そんなことを考 えながら今自分が乗っているボードも彼の手によるものなのだと思うと、なおさら彼のスピリットを感じる。 ここの波のためにここのローカル・サーファーのために彼は自分を犠牲にしてサーフボードをシェープしたのだろう。 だからこのボードはこのサーフポイントで調子が悪いはずがないのだ。

5年前、女房と二人でskip fryeのお店を訪れたことがある。もう外はサンセットを迎えようとしていた。ボードをカスタムオーダーしようと思ったのだ。店のドアを開け、迎えてくれたのは彼の奥さんとよく吠える犬だった。ムダな事をしゃべらない奥さん。ストックボードがあれば買おうと思った。でもなかった。「今日ボードをオーダーするといつ頃出来上がるのですか?」と問い掛けると、 やおら奥さんは「skip !お客さんだから出てこれる?」向こうの部屋から「OK。今行くよ。」快く彼は僕らを迎えてくれた。嬉しかった。聞くと最短で6ヶ月だという。納期通りにこの地を訪 れるあてもなく、しょうがなく記念としてステッカーとビーニーを買った。そしてぼくは、事前に用意してきた渡 米直前に発売された、表紙がskip fryeのNALUを取りだし、サインをねだった。「おおっ、良い写真が一杯載っているね。」と言いながら、丁寧にサインしてくれた。ちなみにサインをもらうときは「キャナイ・ハヴ・ユア・ オウトグラフィック?」である。「サイン・プリーズ」ではない。

その後、「それより4人でサンセットを見に行こう!」と彼が声を掛けてくれた。4人でピアの見えるところまで歩いていき、綺麗な サンセットを眺めたのを僕らは忘れない。だんだんと太陽が紫とオレンジ の雲の中に消えていった。 「こんなサンセットが見られる次の日は波が上がるんだよ。」skip fryeが教えてくれた。事実、翌日は 最高の波に巡りあえたのだった。そんな感慨に浸りながらサーフィンをしていると、周りはかなりの数のサーファーで賑わっていた。今日はウィーケンドなんだ。ぼくは波待ちのポジションをモテル前に移した。波は次第にサイズアップしているが、ダンパーな波が多くなりチョット危ない。2時間くらい楽しめたので、この辺で僕らは海から上がることにした。

一旦モテルの各自の部屋に戻り、シャワーを浴びる。海から2分。あまり行儀は良くないが、濡れたウェットスーツのまま部屋でシャワーを浴びれるのが嬉しい。 そして近くのデニーズで朝食をとることにする。天気が良いので、海岸の道をピア方面に歩く。ピア付近にはいろいろなブースが立ち並んでいた。何やら街が主催している朝市のようだ。ブースを見ながら山側に歩いていく。なんて気持ちの良い朝なんだ。デニーズに着くと、案内係の女性が満面の笑み で迎えてくれた。僕らは天気が良いので、外のテラスを指定。今度はベテランの女性が、メニューを持ってきてくれた。「ようこそ、デニーズへ!!」映画さながらのオーバーアクション。アメリカのレストランは案内係、テーブルでの給仕係などすべて分業制である。特に給仕係には自分の担当のテーブルが決まっており、そのテーブルでのティップが歩合の稼ぎとなる。だから自分の担当しているテーブルに来た客には失礼の無いように、また気持ち良く食事をしてもらうように担当者が独自のやり方で少しでも多くのティップがもらえるように、必死なのである。カリフォルニアに行って、レストランのテーブルについたら、給仕してくれるウェイトレスの顔をおぼえて、必ず彼女にオーダー などのすべての事を依頼する。間違っても違うウエイトレスにオーダーしないように。 というか無視されますから。デニーズのようにカジュアルなレストランでは、食事をし終わってお店を出るとき、ティップをテーブルに置いて、会計は自分でレジに行って済ませてもいい。でも絶対ティップは忘れないように! ティップの目安はtaxの約2倍。レシートを見ればtaxが別に記 載されているので、すぐわかる。しかしあくまでもカリフォルニア州でのこと。州税のパーセンテイジは各州によって違うので、ご注意を。またハワイなどではすでにティップが会計金額の中に含まれている場合があるようなので、会計の際にレシートをキッチリと見るようにしたい。ダブルでティップを支払う事になりますから。

アメリカン・ブレックファーストを済ませた僕らは、部屋に戻り、 荷物をまとめる。今日はここのモテルをチェックアウトする日だ。荷物を車に詰めて、スタンバイOK! 向かうはフェバリット・スポット。今日はさすがに土曜日だけあって、老若男女のサーファーで賑わっている。数少なくなったパークスペースを探し、車を停め、波をチェック。ちょっとセット間が長いものの腰〜胸くらいのサイズはありそうだ。トロめのロングボード向きの波がブレイクしている。Ryoちゃん はチョット疲れているということで、休憩。ぼくと女房でサーフィン。チョット気を使ってくれた のかな? それとも荷物が車の中にあるので監視してくれたのか。とにかく気 を使ってくれる若者である。ありがとう、Ryoちゃん。

海に入って波待ちをしているとセットが入ってきた。とりあえず、テイクオフせず、先に入っていたサーファーが乗るのを見学。何本か同じように波をやりすごす。 みんな良い感じでロングライディングを決めている。「グッド・ライディング!」ぼくが戻ってきたサ ーファーに声をかける。「ありがとう、いい波だぜ。お前も乗れよ。」「ありがとう」こんな会話で、自分の周りのサーファーのリズムが徐々に掴めてくる。ぼくの前にセットが入った。テイクオフするためにパドリングをはじめる。今度は周りのサーファーは波待ちの姿勢を崩さず、ぼくのサーフィンを見守ってくれる。胸サイズの波にテイクオフ。ライト方向にバックサイドのライディングで一直線。ピーンと張った崩れそうで崩れない波のショルダー。波のトップ近くのパワーゾーンを取りあえず走ってみる。自然に笑顔になる。気持ちいいサンディエゴの空気がぼくの体全体を通りすぎる。 こんな時はノーズライディングなんてテクニックも必要ない。滑走感を身体全体で感じればいい。それで自分の乗った波に敬意を払い、波がビーチに吸い込まれて無くなるまで、乗らせてもらえばいい。そう思いながらパドルアウトしていると、skip fryeのグライドしているサーフィンが頭に浮んだ。とにかく気持ちがいいんだ。

沖に戻ると、今度は波待ちしているサーファーが「いい波、取れたな。 そうか、ボードが良かったんだな」その場の何人かのサーファーと大笑い。 そこにすーっと日本人のサーファーが。「おはよう」ぼくは挨拶するも、なんだよ、みないな怪訝そうな顔。ボードを見てみると、日本で人気サーフブランド。長〜いクラシカルなボード。ビーバーテールにニーパドル。セットが入るとすかさずピークへ。テイクオフしてライディング。まだまだ波が続いているというのにプルアウト。すぐにピークへ。そしてセットのいい波を盗んでいく。さながら一人でコンテストをやっているかのようにひとり目をギラギラさせながら波をとる。周りのリズムが悪くなる。何も言わず僕らは別のピークへ移動。そこでまた良いリズムを形成し、サーフィン。そうするとまた近寄ってくるんです、ニーパドルで。

ぼくは同じ日本人として恥ずかしくなった。彼は注意すればきっとこう言うだ ろう。「別にルール違反しているわけじゃないし、何が悪い!」って。でもきっとこのテのサーファーは近いうち痛い目にあうと思う。地元の人も黙っていませんから。女房はと探してみると、テイクオフに苦戦しつつも、テイクオフさえきっちり出来れば、スムースなサーフィンをしている。そして彼女はなにやら外人のオヤジに話しかけられている。ナンパか?ぼくの方に女房が近づいてきた。「昨年もここに来ていたよねって聞かれたみたいなんでけど、英語で答えられなくて笑ってごまかしちゃった。 悪い事したなあ。」このポイントでサーフィンをし始めて約5年。来るたびに会う人も何人かいる。英語は良く話せないけれど、自分なりに会話をし、自分なりに理解する。 相手も僕らのことを 理解しようとしてくれる。そんなささいなことが異国の地ではとてもうれしい。

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▲クリスタルピア寄りのサンドバー

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▲モーテル前からピアを望む

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▲スキップのサイン入ナルー

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▲ピア付近の朝市

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▲海沿いに気持ちの良い歩道が続く

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▲デニーズで朝食を「ハイチーズ」

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▲フェバリットスポットの波

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▲ずらりと並んだロングボード

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