Owner's essay

005 | 徒然なるままに。:いつの頃からだろうか

HEADS

いつの頃からだろうか?
夏を感じられなくなったのは。

梅雨のジメジメしたむさ苦しさが、じりじりと焼けつくような日差しに変わり、
学校では体育の授業にプールが加わる。

そして夏休みに。

友達との約束、あの子とデート、どこかインビな泊まりがけの旅。
そして8月の最後の週。宿題との格闘。夏の終わりの寂しさ。

大学時代はサーフィン、サーフィン。
新島、伊豆、鴨川、茨城... そして湘南。

ウェットスーツの移り変わりで夏を感じた。
そう生活がサーフィンの周りをまわってた。

いつの頃からだろう、夏を意識できなくなったのは?

社会に出て、時間を拘束され、ノルマに拘束され、自分の時間を奪われた。
サーフィンなんて余暇の楽しみになりさがった。

それどころじゃないって慌てふためく自分。流されていく自分。
気がつけば梅雨明けも、7月も、8月も麻痺してた。
これがオトナになるってことだと勘違いしてた。

会社を辞めて自分で会社を起こして、自分で時間を作るようになった。
懐かしい自分を懐かしがるようになる。トシをとったと実感。

でも反比例してサーフィンに対する情熱が急上昇。

自分の時間を作って、週末なんて関係なくサーフィンして。
暑い太陽光線を全身に浴び、懐かしい身体の痛みがよみがえってくる。
夏の痛みがよみがえってくる。

タイフーンスウェルに反応した極上の波を待って、待って。
一日という時間を、その極上の一本の波だけに合わせる。

オトナになって、みんながみんな、そうできるもんじゃない。
金はないけど幸せなのかな?

HEADS

またもどりたい。
夏を待ち遠しく思う自分に。
夏を惜しむ自分に。

またもどろうよ。夏を楽しめるサーファーに。